M&Aにおける「のれん」とは何か
買収価格が高くなればなるほど、この「のれん」代がついたということになる訳ですので、
これを交渉において最大限値付けをしてもらうことで、会社を高く買ってもらうことになる訳です。
ただ、この「のれん」は、繰り返しになりますが、買収価格が会社の純資産額より大きくなる場合、
その差額が「のれん」と呼ばれるもので、財務諸表上に計上されるものであるとも言えます。
具体的には、会社を買収した後これを合併する場合、純資産と買収した株式を相殺する際に発生する「営業権」と、
買収した会社を子会社として保有する場合、純資産と買収した株式を連結相殺仕訳する際に発生する
「連結調整勘定」がそれです。
一方、会社全体ではなく、ある会社の一部の事業のみを譲渡する場合も、財務会計上「のれん」は発生します。
これは、M&Aのスキームのところで説明した事業譲渡になりますが、
この場合、対象となる事業の事業用地や設備の他、事業のベースとなる認可、従業員、顧客との取引契約、ブランドなどを一体として買収するわけですが、この時買収価格から事業用地や建物・設備の評価額を差し引いた額が
「営業権」として計上されます。
これもいわゆる「のれん」と言われるものです。
このように「のれん」というと、
なんとなくわかったようなわからないような感じがありますが、
そもそも財務会計上認識されるもので、これをM&Aにおける上乗せプレミアム価格と認識しているものなのです。
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