会社の譲渡を考えており、本当に売れるのか知りたいのですが、
まずはどこまで情報を出せばよいですか?
初回のご相談で、会社の決算書などをすぐに開示するのはどうも気が引けると言った会社オーナーの方は、やはり多いかと思います。よって、まずは会社の概況や規模、事業の特徴、経営を取り巻く環境や経営課題、そして会社の譲渡をお考えになっている背景などをお聞かせください。該当する業界においてM&Aがどの程度行われているか、対象会社の売却可能性について、だいたいはお答えすることができます。
また、当社は、初回のご相談時において、お聞きする事項に関して当社が機密厳守を誓約する機密保持誓約書を提出いたします。逆に言いますと、これを提出しないアドバイザリー会社には、ご注意いただければと思います。
この機密保持誓約書に加え、ご面談等にて当社をご信頼いただける心証を得ていただければ、初めて決算書の開示等をお願いしています。これを開示いただけますと、おおよその企業価値評価が可能になりますので、ご相談から一歩進めて、より具体的な話をさせていただくことができます。
M&Aにおいては、ややもすると、譲渡の本当の理由や過去の会計処理における会計方針・実態などを、何らかの理由で開示いただけない場合があります。しかしながら、いずれの会社においても開示しにくい事象はあるもので、その事象自体、世の中の会社の9割を占める中小、中堅クラスの会社では一般的なものであることも多く、これを当初よりお聞かせいただければ、M&Aのプロセスにおいて、事前に論拠を整えて、むしろ積極的かつ戦略的に開示することで乗り越えることができるのです。
逆に、後になって開示いただくと、交渉過程で矛盾が生じ座礁することがある旨、是非ご理解いただき、M&Aのプロセスに入りましたら、早い段階ですべての情報の開示をお願い出来ればと思います。