レコフが開示している1985年以降のM&A件数の推移によると、2019年M&Aトータル件数は4,000件を超え、日本企業による外国企業のM&A及び外国企業による日本企業のM&Aと言ったクロスボーダーの案件も過去最多となっています。
日本国内の需要がいまだ伸び悩む中、海外に活路を見いだす日本企業の動きは世界経済のボーダレス化にも後押しされ、今後もますます顕著になると考われます。
海外でのM&Aといえば、日本経済がバブルに沸いた1980年代から1990年初頭までに、膨らんだジャパンマネーが海外へのM&A投資に振り向けられました。この時期は、特に大手企業が米国市場への進出を図り、大型のM&Aが多かったのが特徴です。その後、バブル崩壊とともに、海外のM&A案件は減少に転じ、2000年代半ばに件数も金額も底を打ちます。
ところが、2000年代後半から再び海外でのM&Aの増加が始まり、今日に至ります。ただ、この現在の状況がバブル期の動きと相違するのは、M&Aによる成長戦略を取り込むのが大企業だけではなく中小企業にも広がっていること、また地域的に特にアジア地域でのM&Aが活発化しているということです。中小企業を含めた日本企業が成長戦略を進めるうえで、新興国の成長市場への進出をスピーディーにかつ確実に進めることが重要な鍵となると判断されていることを示しています。
当社は、このような日本企業の海外進出に際し、日本企業と現地企業間のクロスボーダーM&Aのためのアドバイザリー業務を行っています。
海外企業とのM&Aを実現するためには、言語はもちろん、文化、慣習、制度の違い、そしてこれに伴う様々な経営リスクを乗り越えなければなりません。特に重要となるのが法制度、税制度の違いを深く理解し、これに対応することです。そのために、いくつかの海外拠点を設けて自社の人材を配置しているM&Aアドバイザリー会社もあるようですが、そのような自社ネットワークによる情報力にはどうしても限界があり、またコストも膨大なものとなり、結果的に顧客への大きな負担となって跳ね返ります。
そこで、当社は、例えば北米においては全米トップクラスのリーガルファームや、アジア・アセアン地域においては、クロスボーダー取引に精通する現地トップのリーガルファームおよび会計ファームと連携し、プロジェクトを推進します。
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